【書評】「逃げる」ことは弱さじゃない。佐藤喬 著「エスケープ」から学ぶ、「逃げる勇気」【ロードレース】

書評


おはようございます、日曜日のけんぽくです。朝活ブログ更新ていいよね!ほんとは朝練が雨で中止になったから書いてるだけなんだけどね!




今日も書評記事。

皆さんは「逃げる」という言葉にどんなイメージをお持ちでしょうか?

弱いこと?自分に甘いこと?やってはいけないこと?世間一般のイメージはこんな感じじゃないでしょうか?

逆に、「強い」人は逃げないのでしょうか?

けんぽくの趣味のサイクルロードレースでは、レースで「逃げること」はもっとも賞賛される行為の1つです。

今日は2015年に出版された佐藤喬氏著「エスケープ」から、「逃げる」勇気を学んでいきましょう。

ロードレースにおける「逃げ」

逃げるという言葉で辞書をめくってみると、こんな意味があるそうです。

1 捕まらないように、追って来るものの力の及ばない所に身を置く。「犯人は盗難車で―・げたらしい」「一目散に―・げる」
2 自由のきかない所や危険から抜け出して、去る。「ライオンが檻(おり)から―・げる」「命からがら―・げる」
3 面倒なこと、いやなことから積極的に遠ざかろうとする。直面するのを回避する。「やっかいな仕事から―・げる」「―・げないで真っ向から勝負する」

デジタル大辞泉より

上位3つは世間一般で認識されているネガティブな「逃げる」のイメージですね。ですが、この下にはまた別の意味が続きます。

4 運動競技で、首位を行く者が、後続する者に追いつかれないで勝つ。「先行したままゴールまで―・げる」

サイクルロードレース界では、「逃げる」という言葉には特別な価値があります。それこそ、そのレースを優勝する以上の特別な価値が。

メイン集団から飛び出して、先行することを「逃げ」という。ほとんどのレースで、少人数の「逃げ」の選手たちによる逃げ集団と、大人数のメイン集団という構図でレースが展開される。逃げている選手がそのままメイン集団に追いつかれることなくフィニッシュすることを「逃げ切る」と呼んでいる。

自転車競技は空気抵抗の影響を強く受けるため、少人数で走る逃げ集団の方が、大人数のメイン集団に比べて空気抵抗の影響が大きくなる。普通に考えれば逃げ集団の方が明らかに不利なはずだ。

サイクルロードレースで最も基本的な作戦「逃げ」について徹底解説!より

すね毛の記事でも書きましたが、サイクルロードレースは空気抵抗との戦いです。集団で固まって走ればその分空気抵抗が軽減され、楽に走ることができます。しかし、人数が多い以上、ゴール争いは熾烈を極めます。

そんな集団の中から玉砕覚悟で飛び出し、1人、または少人数でゴールを目指す。ロードレースで「逃げ切り勝利」は最も名誉ある勝ち方の1つと言えます。

つまり「逃げる」という言葉の中にはネガティブとポジティブ両方の意味が込められているのです。

 

「逃げる」勇気

2014年に開催された「全日本選手権ロードレース」が本著の舞台です。特定の選手にフォーカスしたドキュメンタリーと言うよりは、全日本選手権のドキュメンタリーといったほうが良いでしょうか。実はYouTubeで動画もアップされておりますので、あわせてご覧ください。

ロードレースにおける逃げは非常に勇気のいる行為です。しかも、成功する確率は限りなく0%に近い。それでも彼らは、残された僅かな可能性を信じ、勝利に向かって逃げ続けるのです。レースのたびに何度も何度も。それゆえに「逃げ切り勝利」はファンの心を鷲掴みにし、最も栄誉ある勝ち方の1つとなるのです。

 

「逃げること」で得られるものがある

世間一般の「逃げる」と言う言葉に対するイメージは弱者に対して投げかけられるものです。

しかし、サイクルロードレースでは「逃げる」選手、「逃げることのできる」選手は、「強い選手」であることの証明です。たった一人で様々な障害を克服し、後ろにいる大集団から追い上げられる恐怖に立ち向かいます。

何10km、下手したら100km以上逃げ続けても、ゴール前100mで後続集団に飲み込まれゴール後涙を流す選手を幾人もテレビで見てきました。しかし、彼らは何度でも逃げ続けます。「今日は必ず勝てる。今日こそは俺の日だ。」と信じて。そんな彼らの姿にサイクルロードレースファンは胸を打たれ、熱く応援し、時に選手以上に涙する。

これをご覧いただいてる皆さまの中には、今一人で何かに立ち向かい、何度も打ち負かされた経験をされた方もいるでしょう。抜け出そう、逃げ出そうとしても、同調圧力でなかなか抜け出せない。何度やっても上手くいかない。

そんな時は是非この本を手に取ってみてください。「逃げる」ことは、勇気ある、誇り高い行為なのです。「逃げる」ことで得られる勝利がある。その日まで、共に何度も何度も「逃げ」続けましょう。

 

書評記事ってよりは、サイクルロードレースの「逃げ」解説記事になってしまった・・・。でも、逃げる選手ってカッコいいんだよ!みんなから愛されるんだよ!だから逃げる事は悪いことじゃない、むしろ勇気あるかっこいい行為なんだよってことが伝わればいいと思います!

おわり!





見える化ブロガーけんぽくと申します。

『歩く経営企画室』で自称『最強の左腕』

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ブログの『見える化』コンサルティングもやってます。

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