こんにちは、けんぽくです。
今日は仕事ネタ。
現役銀行員の方にも中小企業の社長様にも参考になる
融資の「稟議書」についてツラツラ書いていきたいと思います。
「どうやったらスムーズに決済を取り付けられるか」
「銀行に相談しに行く時、どんな情報を持っていったらいいか」
稟議書の書き方なんて簡単だ。
銀行マンがお客様からご融資の相談を頂き
融資をするにあたって作成するのが、この
「稟議書」
各行それぞれ独自のフォーマットがありますが
ポイントはほぼ共通しているとおもいます。
稟議書のポイントは「きちんとご返済していただけるか」ということ。
それを検証・判断するために「稟議書」を作成するわけですが
この稟議書、作るまでに結構手間がかかります。
担当が若かったり、業界知識が不足していたりすると
それだけで時間がかかったりすることもしばしば。
結果的に
「他行で相談し直した。」
とか
最悪「支払期日に間に合わず取引先の信頼を損なった。」
なんてこともあり得ます。
これじゃあ銀行側も企業側も救われません。
ではどうやってスムーズに稟議書を作成し、ご融資を受けられるようになるか。
今日はエッセンスを書いていきたいと思います
けんぽく的基本原則
1.今を把握する
2.融資する前と後の違いを考える
3.融資した後の未来の姿を描く
1.「今」を把握する
あなたは今、ご相談を受けている企業の業界動向についてどれだけ知っていますか?
たとえば「建設業」のお客様から融資のご相談を受けたと致しましょう。
- 建設業の業界動向ってどうなっていますか?
- 市場は拡大してますか?縮小していますか?
- 業界の課題はなんでしょう?
- 今後5年先、10年先の見通しどうなっていきますか?
まずは、マクロの目線でお客様の属する業界を分析していきます。
例えばこのサイトなんかはマクロ目線で分析する際とても参考になります
また、建設業といってもその業務は多岐に渡ります。
土木なのか、建築なのか、とび・土工工事なのか・・・
29種類の業種それぞれの業界動向がありますので、お客様の手がける
工事の内容をよくヒアリングして、メインとなる業種の動向をしっかり押さえていきましょう。
ある程度業界動向を把握できたら、次に分析するのは「企業」さま自身です。
- 業界の中でどんな位置付けなのか
- 業界の抱える課題に対してどんな対策を行なっているのか
- 工事はどこから受注しており、進捗状況はどうなっているか(いわゆる、「工事受注概況表」ってやつですね)
- 「強み」や「弱み」、その地域における「役割」や「価値」はなにか
こういったポイントを押さえながら分析してみましょう。
もちろん、直近の業況や財務内容に関する内容も必須です。
加えて、財務内容の業界平均値と比較して、
その企業の財務がどこが優れているか、
どこが課題なのかを分析すると、グッと説得力が高まります。
2.融資する「前」と「後」をかんがえる
なぜ、その企業は融資を受けたがっているのでしょう?
新しい設備を買うため?
古くなった設備を代替するため?
大型の工事の代金入金までの一時資金?
ご融資を受けたい理由をキチンとヒアリングして
その目的を把握しましょう。
例えば、「新型の重機を購入する」という目的で相談を受けた場合
新型重機を導入した結果、その企業にどんな影響があるかを検証します。
導入することで
「新たな工事が受けられるようになり、売り上げが増加する」
「これまでより燃費がいいから、燃料費等の経費が削減できる」
「今まで使っていたものよりパワーがあるから、作業効率が上がり生産性が向上する」
とかですね。
そしてその企業の決算書にどのように影響してくるかを検証して決算予想に落とし込んでいきます。
これは次の章にもつながりますが、「きちんとご返済していただけるか」を検証するためには
その企業の「未来」の姿を考える必要があります。
3.融資した後の未来の姿を描く
今までの1、2はこれを導き出すために検証してきたといっても過言ではありません。
1で業界の動向その企業の現在の姿を分析し
2で融資を受ける前と受けた後の違いについて述べました。
3では、融資を受けた後のその企業の姿を描いていきます。
2では「新型の重機を購入する」目的で融資を受けます。
融資を受け重機を購入することで
この企業は新たに工事を受注できるようになり
その売り上げが決算書に反映されるようになります。
それを業界動向や企業の分析を通して稟議書に記載していきます。
たとえば
「この新型重機を導入することで地元大手ゼネコンB社からの
工事を継続的に受注できるようになる。受注額は平均してX0,000千円程度となり
A社の来期の予想売上高は約X ,000,000千円となる」
みたいな感じですね。
加えて経費・利益予想についても記述してきましょう。
減価償却費の予想増価額も加え、返済財源(融資返済の原資)が
十分に確保できることを導き出せれば完成です。
まとめ
今回は融資稟議書の書き方について
備忘録的な意味も込めて
ツラツラ書いていってみました。
とりあえず銀行マン向けに書いたつもりですが
企業様については
融資を相談に行く際
こういうことを伝えると担当者は稟議を書きやすいよ!
ってポイントも載せたつもりです。
けんぽく的融資稟議書の書き方のポイントは
1.現在の姿を分析する
2.融資を受ける前と後でどう違いが現れるかをかんがえる
3.融資を受けた後の、企業の未来像を描き出す
この3点です。
稟議書作成で困っている銀行マンや中小企業の社長様のお役に立てば幸いです。

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